応接室はオフィスの顔です。お客さまをお通しする場所なので、家具のデザインや配置などにこだわっている企業も多いことでしょう。
快適な空間をつくりあげることができれば、商談が成功する確率が高まるかもしれません。今回は、応接室の目的やデザインのポイントなどについてご説明します。

応接室は何のためにあるの?
応接室は、何のためにある空間なのでしょうか。
応接室の主な用途は、お客さまをもてなしたり、打ち合わせやプレゼンテーションなどを行うことです。
また、応接室を設計するときに注意するべき点は、「目的と利便性」について考えることです。その理由は、応接室をどのような空間にするかが、目的によって変わるからです。
例えば、応接室兼会議室として利用する場合と、応接室のみで使用する場合とでは、設置する家具が変わります。また、社員数が多い企業が、応接室を会議室として使用する場合は、利用人数も多くなるので、応接室用に広いスペースを確保しなければなりません。
つまり、応接室をつくるときは「お客さまをもてなすために使うのか」「打ち合わせをするために使うのか」「プレゼンをするため使うのか」「どの程度の人数で使うのか」など、どのような用途・目的で応接室を使うのかを明確にすることが大切です。
目的を明らかにすることで、応接室を設置する場所、必要となるスペース、レイアウト、デザインがはっきりとしてきます。
応接室設計デザインのポイント
それでは、応接室をデザインするときのポイントについてご説明します。
応接室は入り口の付近に設ける
来客を招く応接室や会議室は特別な事情がない限り、入り口付近に設置します。その理由は、セキュリティーと導線に配慮する必要があるからです。
作業スペースや執務室では、個人情報や重要機密情報を扱うこともあるので、来客を迎える応接室がそれらのスペースの近くにあるとセキュリティー面で問題があります。
また、入り口付近に応接室をつくるとお客さまの移動距離が短くなるほか、企業側がお客さまをお通しする際の案内もスムーズに行えます。
応接室は明るい場所につくる
応接室では、お客さまをもてなすだけではなく、商談も行われます。薄暗い部屋でプレゼンテーションをしても、サービスや商品の魅力が十分に伝わりません。応接室は、できるだけ明るい雰囲気づくりをするように心がけましょう。
快適な応接室は、眺望が良く、となりの席との間隔が適度にとられています。眺望が良いと日中は自然光が入り、商談の合間に風景を眺めることもできるので、緊張感が和らぎます。
従って応接室の窓は、できる限り大きなものを設置することが理想であるといえます。また、窓だけではなく壁紙もやわらかく明るい色にするとリラックスできる上質な空間をつくれます。
窓を設置することができない場合も、照明やインテリアを工夫することで、明るく落ち着いた雰囲気を演出できます。
応接室にそろえたい用具
応接室には最低限、机とイスが必要です。また、電源やスライドを投影できる画面、ネット環境、ホワイトボード、メモ用紙などの筆記用具のほか、衣服をかけることができるハンガーもそろえることができれば居心地のよい応接室になります。
応接室のイスの硬さに注意する
ゆったりと過ごせる空間にする場合は、革張りのソファなど高級感のある家具を入れるとよいでしょう。
来客用のイスを選ぶ時は硬さに注意します。柔らかいイスは、体が沈み込むのでビジネスには不向きです。逆に硬すぎるイスは座り心地が悪いため、適度な硬さのイスを選ぶことが大切です。
会議室として使う場合は、出席する人数よりも多めの席を設けておくと外部スタッフやゲストの講習の時にも使うことができます。
会議室として使う場合は空間の使い方に注意する
応接室を会議室として使う場合は、会議が長時間におよぶこともあります。長時間、同じ姿勢で着席していると非常に疲れてくるので、座ったまま楽な姿勢をとれるように設計します。
標準的な成人の場合は、席の背後に800~1000ミリ程度の空間を設けておくと、イスをテーブルから離すことができるので、座ったまま楽な姿勢をとることができます。また、この空間を設けておくことで、着席している人の後ろを別の人がスムーズに通行できるようになります。
さまざまな応接室のデザイン
重厚感のある応接室
「デスクは無垢の一枚板のテーブルにする」「落ち着いた色合いのブラウンの革張りのソファを置く」など、上質で品のある家具を採用することで、空間に重厚感を持たせることができます。

上質で快適な応接室
空間にゆとりを持たせることで居心地の良さをつくりだすことができます。ナチュラルな淡い色をベースにして、シンプルなデザインでまとめると大人の職場にふさわしい上質な空間になります。

せまくても窮屈ではない応接室
応接室のために広いスペースを確保できない場合は、インテリアや壁紙、天井をやさしいトーンの白でまとめ、床面に明るい色を採用すると開放的な空間を演出できます。

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