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執筆者の写真ITO OP

南海トラフ、首都直下地震、巨大災害で世界の最貧国化する日本

更新日:2023年7月6日

近年心配されている南海トラフ地震、首都直下地震。

他にも富士山の噴火など、日本ではこれでもかというぐらい災害の種があります。


2020年の土木学会からの発表では、南海トラフ地震で日本は世界の最貧国になるというのです。



南海トラフ地震で20年間の被害推計は、最大1410兆円


なんと2018年度国の一般会計予算(97兆7千億円)の14年分です!


土木学会の委員会が公表した報告書によると、南海トラフ地震の発生から、経済がほぼ回復するとみられる20年後までの間に、

インフラの破損などに伴う経済活動の低迷で1240兆円、

建物などの資産直接被害で170兆円。


経済被害の推計は最大で1410兆円とされています。



「技術検討報告書」の公表に際して、大石久和・土木学会会長は

「いまのままで巨大災害が起きたら想像もつかないようなことになる。日本が東アジアにおける小国、最貧国のひとつになりかねないと考えている」

と話しています。


一方、様々な公共インフラ対策で、経済被害(間接被害)を3分の1から 6 割程度、軽減できることも示されました。


インフラ対策については、政府で行うことが必要となりますが、

巨大地震対策に関してはやはり、住宅を含めた建築物の耐震強化や、⺠間施設の強靱化が不可欠です。


しかし、⺠間政策については政府支出で、必ずしもまかなう事ができないものです。


台風19号で話題になった東京・江戸川区の「ここにいてはダメです」というハザードマップのように、一人一人の意識改革を進めていくことも必要です。



大地震が起こった場合、首都圏では避難所に入れる人は2割。避難しなくても良い環境を整備しよう


大地震が起こった場合、首都圏では避難所に避難できる人間は2割程度しかいません。


地震が起こったらまず避難所へ、ではなく避難所へ行かなくてもすむ対策を講じることが重要なのです。

生命の安全が確認され、自宅や事業所が倒壊せず、火災が起こらず、十分な備蓄があれば、近くの小中学校などの避難所へ行く必要はないのです※。


※台風や洪水被害が懸念され避難勧告が出された場合は避難すべきです。 


このため、事業所や自宅では建物の耐震化、家具の転倒防止やガラスの飛散防止など、屋内の安全対策を講じるとともに、

少なくとも3日分の水や食料等を備蓄しておくことなど、「避難しなくても良い環境」を整備することが重要なのです。


下記は内閣府の首都直下地震のワーキンググループによる被害想定です。



内閣府の首都直下地震のワーキンググループによる被害想定


1.地震の揺れによる被害


(1) 揺れによる全壊家屋:約175,000棟 建物倒壊による死者:最大 約11,000人

(2) 揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72,000人



2.市街地火災の多発と延焼


(1) 焼失: 最大 約412,000棟、 建物倒壊等と合わせ最大 約610,000棟

(2) 死者: 最大 約 16,000人、 建物倒壊等と合わせ最大 約 23,000人



3.インフラ・ライフライン等の被害


  1. 電力:発災直後は都区部の約5割が停電。供給能力が5割程度に落ち、 1週間以上不安定な状況が続く

  2. 通信:固定電話・携帯電話とも、輻輳のため、9割の通話規制が1日以上継続。 メールは遅配が生じる可能性。携帯基地局の非常用電源が切れると停波。

  3. 上下水道:都区部で約5割が断水。約1割で下水道の使用ができない。

  4. 交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、運行停止する可能性。 主要路線の道路啓開には、少なくとも1~2日を要し、その後、緊急交通路として使用。 都区部の一般道はガレキによる狭小、放置車両等の発生で交通麻痺が発生。

  5. 港湾:非耐震岸壁では、多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数か月を要す。

  6. 燃料:油槽所・製油所において備蓄はあるものの、タンクローリーの確保、深刻な渋滞により、 非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン、灯油とも末端までの供給が困難となる



4.経済的被害


  1. 建物等の直接被害:約47兆円

  2. 生産・サービス低下の被害:約48兆円 合計:約95兆円



今後30年以内に70%という高い確率で発生することが懸念されている首都直下地震。

今後30年以内に80%という高い確率で発生することが懸念されている南海トラフ地震。


政府の対策に頼るだけではなく、組織として、個人として備えを見直しておきましょう。

何を揃えれば良いのかわからない、どう対策すれば良いかわからないという場合は、ネットで調べるだけではなく、防災のプロに相談することも検討してみましょう。

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