知的生産性が重視されるオフィスでは、アイデアが浮かびやすく快適に過ごせる空間づくりが求められています。
一方、省エネルギーの重要性も増していることから、オフィス照明には快適性と省エネルギー性の両立が求められているといえるでしょう。
今回は、快適に仕事をするための照明の選び方やまぶしさ対策について解説します。
オフィス照明の考え方
1994年、オフィスで最低限満たすべき22項目の基準のひとつとして「机上照度750ルクス」が設けられました。
現代のオフィスが、明るい蛍光灯の光で隅々まで照らされているのは、この基準によるものです。
しかし、現在、働く人たちが好む明るさは職種によってさまざまで、創造性を発揮する必要のある職業の人は750ルクスよりも暗い環境を好むことがわかっています。
知的照明の考えから生産性を高めるには、使用する場面に合わせて照度環境を変えることが効果的といえます。
コスト削減ならLED照明の検討を
省エネを実現するため、LED照明の導入を考えている企業は多いと思いますが、具体的にどのような照明を導入するのか、導入時期はいつが良いのか迷うのではないでしょうか。
LED照明選びの失敗例としては、
「電気代が思ったよりも下がらなかった」
「色味が悪く顔色が青く見える」
「照明が落下した」
「保証期間内に施工業者が倒産してしまった」
などがあげられますが、こうした失敗を防ぐにはどのような点を意識すればよいのか。
ポイントをまとめてみました。
【LED照明の明るさは「lm(ルーメン)」であらわす】
LED照明の明るさを表す単位は「lm(ルーメン)」です。ルーメンは、数値が大きいほど明るいことを意味します。
ルーメンは「光束(こうそく)」をあらわしており、光束とは光源から放たれた光の線が集まった「光の束」の量を測定したものです。
白色電球のワット数は何ルーメンにあたるのでしょうか。
白熱電球のワット数は60Wの場合、同程度のルーメンは810ルーメン以上。同じく、40Wの場合は485ルーメン以上、30Wの場合は325ルーメン以上、20Wの場合は170ルーメン以上となります。
【用途に合う照明を選ぶ】
白熱電球や蛍光灯は360度に光を放射しますが、LED照明は、前方にのみ光を放射します。
そのためLED照明を設置する際は、照射角度や配光を意識して、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
【色合いをよく見せる演色性に注意する】
演色性とは、自然光が当たったときと同じ色を再現している状態をRa100として、どの程度色の見え方を再現できたかを数値化したものです。
最近は、照明の光の質にこだわる消費者が増えてきていることもあり、LED照明用製品に、演色性の評価について記載されているものが増えています。
【消費効率をあらわすlm/Wに注目する】
lm/W(ルーメンパーワット)とは、消費電力1ワットあたり何ルーメンの明るさが得られるかという、エネルギー効率をあらわす単位です。lm/Wが大きいほど、消費電力に対する明るさの効率は高いとされています。
例えば、「3000ルーメンで100lm/Wの照明」と「3000ルーメンで150lm/Wの照明」であれば、1.5倍も消費電力が変わります。
省エネを目指す場合は、lm/Wに注目した照明選びをおすすめします。
【防水、環境温度に配慮する】
LED照明が照射する光は熱を持ちませんが、高温環境では寿命が短くなるケースがあります。
また、屋外灯などにLED照明を使う際は、雨風の影響による劣化を防ぐため、防水対策を施されたものを導入することをおすすめします。
【信頼できる施工業者に依頼する】
LED照明の電気工事は、設置やメンテナンスが難しい場合もあるので、信頼できる施工業者を探すこともLED照明を導入する際のポイントとなります。
オフィスの照明がまぶしいときの対策
書類の細かい字が読めるように、蛍光灯でオフィスを明るく照らしているけれど、明るすぎて目がとても疲れると感じたことはないでしょうか。
場合によっては、目の疲れが頭痛や肩こりなどといった不調につながることもあります。
照明がまぶしいときは「グレア対策」と「LED対策」を行うと改善されます。ぜひ参考にしてみてください。
【グレア対策】
照明や外光がモニターに反射することからくる「まぶしさ(グレア)」を防ぐための対策を、「グレア対策」といいます。グレアが発生するとモニターの画面が見づらくなり、目が疲れるので、できるだけグレアがない状態にします。
・光がモニターに反射しないように配置を工夫する。
・照明器具にルーバ(カバー)を取り付けて間接光にする。
・パソコンのモニターにノングレアの保護フィルムを張る。
・デスクトップ型のモニターにフードを付ける
【LED対策】
LEDは光が前方に光を放射するので、それ以外の方向は暗くなります。
そこで、LED照明をオフィスで使用する場合は、光を拡散させるカバーを取り付けると効果的です。
他にも、「黒やグレーなど反射率の低い机にかえる」「間接照明にする」などの方法が考えられます。
パソコン作業に適しているのは、明るすぎず暗すぎない環境です。
窓からの日差しが強くディスプレーが見にくい場合は、窓にカーテンやブランドを設置して、外光を遮るようにしましょう。
Комментарии